世界のジブリここにあり 〜inチェンマイ〜
今回はドミトリーで起きたお話である。
そもそもドミトリーとはなんぞや?という話だが。
基本的にで4人から多いところだと10人以上の人を収容する宿泊施設である。
お金持ちの方はあまり利用したことがないだろうが
小さい部屋に二段ベットを詰め込んだような空間なのでホテルよりも圧倒的に安い。
さらにコミュニケーションも生まれやすいということで多くのバックパッカー達に愛されている訳である。
清潔感のある場所もあるが奴隷船のような厳しい環境もある。
場所によって男女で分かれてるところもあるが同じ部屋に男女関係なく泊まるようになっている。
私のイメージでは基本的に男性が多い。
といっても女性のバッグパッカーも結構多く、私より大きなバックパックを平気で背負っている強者もいる。
旅を始めた最初の頃は時計の針の音も気になる神経質な私は寝付けないことも多かった。
なにせ強烈なイビキ攻撃もあったりする。
シャワーを浴びようにもお湯は出ないことの方が多い。
ほとんどはシャワー兼トイレで綺麗好きな人は結構厳しい環境である。
しかし、そんなドミトリーも悪いことばかりではない。
そう、チェンマイで一度部屋が私以外全員女性ということがあった。
同部屋になった女性達に『男あなただけね』と揶揄われた。
「Are you danger?」と女性達。
「I am not danger. But today is ... I don't know.」と軽口で答える私。
素晴らしい部屋だ!
幸運である。
何か良いことしたっけ?
基本的に自分勝手で優しい人間じゃないので心当たりはない。
前世でかなりの徳を積んだのだろう。
ナイス前世!ありがとう前の俺!
ただやはりこのままにしておかないのが神様である。
ドミトリーでは寝る前はお静かにというのが原則である。
物音を立てたり、話していたりすると
外国の方はすぐに「静かにしてくれ」と注意してくる。
そのため、カバンを漁ったりする際は外にカバンを持って行ったりする。
その夜、私は日本が恋しくなっていたのかわからないが謎に
ジブリメロディーを聞こうと思った。
あぁ日本の情景が浮かぶぜ。ジブリ最高だぜと浸っていると女性達の騒ぎ声が聞こえる。
うるさいなと思っていたら隣のベッドで寝ているシンガポール人のエミリーが私に声をかけてくる。
『音漏れてるよ』
「え?」
イヤホンがしっかり刺さってなかった。
ドミトリーに響き渡る米良美一の美声。
はりつめた〜弓の〜♪ ふるえる弦よ〜♪
注意されて急いで携帯をスリープモードにする。
しかし、iTunesの音楽だとスリープモードにしても鳴り止まない。
怒るエミリー!
焦る私!
歌う米良美一!
響くもののけ姫!
ものの〜け〜達〜だけ〜♪ものの〜け〜達〜だけ〜♪
世界にジブリが轟いた瞬間である。