痔主になったよ~赤い悪魔との戦い~
地主になりたい。
朝起きてコーヒーを片手に読書する。
昼になると家庭菜園の手入れをし、
夜は美しい嫁、可愛い子供達と食卓に並ぶシチューを食べる。
暖炉の火を見ながら子供達から今日あった出来事について聞く。
ちなみに今の私はトイレに座り、トイレットペーパーを片手に渋い顔をしている。
夢見た生活とは雲泥の差だ。
いつか地主になって遊んで暮らしたいなんて漠然と夢みていたけどまさか
痔主になるとは思ってもみなかった。
私の友人には痔主が多かったのでまさかうつったのではと疑ったがネットによると痔はうつらないらしい。
今まで痔主の友人たちを揶揄ってきたがこれはなんとも苦しいものである。
数々の非礼大変申し訳ありませんでした。
赤い悪魔との出会いはこんな感じだった。
寝起きでコンタクトを付けないまま排便を行なった。
その日はトイレットペーパーでお尻をいくら拭いても
拭き残しがずっとついた状態だった。
それどころかどんどんトイレットペーパーにつく付着物が多くなっていく。
そしてめちゃくちゃ痛い。
ついにはトイレットペーパーがなくなってしまった。
もしかしたら拭き残しではないかもと思い、
ペーパーを顔に近づけるとそれは紛う頃なく「血」だった。
コンタクトを付けていたらもっと早く気づき、自分をこんなにも
傷つけることはなかったのかもしれない。
その日からは苦しい日々が続く。
排便を済ませ、お尻を拭く。
痛みが走る。
そして悩む。
これは血なのか拭き残しなのか?というせめぎ合いをこなしながら綺麗好きな私はもう一度吹いてみる。
するとテッシュが紅に染まっている。
それはまるで赤い悪魔が私を揶揄ってるかのようである。
彼との戦いで疲れ果てた私は立っているので精一杯だ。
というかもう座ることができない。