祭り祭る ホーリー祭
インドにはとても面白い祭りがある。
その名もホーリー祭である。
ホーリー祭(Holi)とは、インドやネパールのヒンドゥー教の春祭りである。春の訪れを祝い、誰彼無く色粉を塗りあったり色水を掛け合ったりして祝うものらしい。
インドでは今なおカースト制度の
影響が色濃く残っている。
身分も関係ない。
飲み会で課長が「今日は無礼講だ」と言うが
バリバリに無礼が許されていない日本とは違い、本当に無礼講なのである。
外に出れば逃げ場はない。
「待った」は許されない。
私はホーリーを舐めていた。
というかちょとした祭りがあるくらいにしか
考えていなかった。
ドミトリーから一歩出た瞬間、
粉が飛んでくる。
さらに塗りたくられる。
町を歩けば子供たちから襲撃を受ける。
ちなみにこの顔の黒さはペイントである。
いくら私が色黒だからといって間違えないでほしい。
上から色つきの水が滝のように降ってきた。
異常気象だと上を見上げればバケツを持った
おばさんが笑っている。
「ハッピーホーリー」この魔法の言葉を言えば
この日に限っては概ね何をしても許されるみたいだ。
広場に行くと
爆音と共に躍り狂う人々がいる。
人々はかなり興奮している。
日本ではクラブなどパーティーピーポーの
巣窟にはあまり縁がない私だが
ホーリーの熱気に感化されてか
インド人と共に躍り狂っていた。
綺麗な白人の女性に何度もちょっかいを
かけているモテなさそうなインド人もいた。
自分を見ているようで悲しくなる。
身分も性別も年齢も関係ない。
みんなが様々な色になる。
どんな色にもなれる。
カーストによる階級社会を越えたい。
もしかしたらそんな願いも込めて
この祭りは始まったのかもしれない。