蛍を探せ (水上マーケット)
ネットの情報によると、バンコクには水上マーケットと呼ばれる川に船が集まり商品などの取引を行う有名な市場が三つ程あるらしく足を延ばすことにした。
ダムヌンサドゥアック水上マーケットという市場が観光客にとって最も人気のスポットらしい。しかし、読んでくださったあなたも感じたことと思うが名前が非常に言いにくい。何だかそのことに少し気分を害した私はアムパワー水上マーケットという非常にスマートな名前の水上マーケットに行くことに決めた。
ネットによるとダムヌ#?&%ク水上マーケットは外国人観光客向きでアムパワー水上マーケットの方はタイ人の観光客に人気だそうだ。
アムパワー水上マーケットには蛍を見れるツアーがあるというのでロマンチストの私は俄然やる気になった。
バンコクにある旧市街南バスターミナルからミニバンに乗り込み約2時間程でアムパワー水上マーケットに到着した。
道路がしっかりと舗装されていないせいか車体が大きく揺れる2時間であった。
車が揺れるたびに前で寝ている女の子がX JAPANのYOSHIKIさながら頭を上下に振り
髪の毛をはためかせるので私は思わず紅を口ずさんでいた。
到着した頃にはもう夜になっていた。
前に座っているYOSHIKIもすっかり目が覚め、元気になっている。
ライトアップされた水上マーケットはとても幻想的で美しいものだった。
ミニバンの最終の時間も決まっていたので市場探索もほどほどに早速蛍見学ツアーの船に乗り込む。
船が賑やかな市場エリアから抜けると
見える景色は素晴らしくオシャレなカフェ、高そなレストランや水上コテージなど一日の食費が500円以下の私とは縁遠いものばかりで、いつかお金持ちになったら必ず奥さんを連れて行こうという妄想で現実逃避をしていた。
いよいよ光がない暗いエリアに突入すると船が止まった。
船長が何やらタイ語で話している。
そしてお客さんからも歓声が聞こえる。
蛍の光だ。あまりに光がたくさんあるので仕込みじゃないのかと疑ったが光が動いているし、本物であろう。
素晴らしい光景だ。
早く写真を見せろと思ったあなた。私は何度も撮影を試みたがiPhoneカメラの限界なのか私の技術不足なのか全く蛍の光は写っていなかった。
もしかしたら、蛍の光はカメラでは写すことができない幻のようなものなのかもしれない。
あんまり言いたくないがカップルで行くといいスポットかもしれない。
バンコクに来てなんだか一番癒された日だった。
帰りの車で少し居眠りをしてしまった。
起きると少し首が痛い。
私もYOSHIKIになっていたのだろうか。