インドの警察署へ行く
ここで皆さんに報告しなければならないことがあります。
若気の至りからか
インドで禁止されている薬物を服用してしまい、
収監されることに決まりました。
なんてことはまるでなく、健全な旅を続けていた私は
iPhoneを盗られた旨を伝えるべく警察署に向かった。
受付に到着するもなかなか話を聞いてくれる気配がない。
『携帯盗られたんだけど』と言っても
『ちょっと待っとけ』で済まされる。
警察署内にはおじさん警察官が一人とお兄さん警察官が一人がいた。
バッチの数を見てみると若い警官の方が階級が上のようだ。
見た所、窓際係長とエリート新人といったところだろう。
私を担当するのは残念ながら窓際係長のようだ。
というかエリート新人が窓際係長に『めんどくさそうだからお前やれ』と
仕事を振っていた。
やっと自分の番が回ってきて携帯を盗られた場所や経緯を説明すると
窓際係長は『そこは俺らの管轄じゃない。違う警察署に行け』と言ってきた。
こんだけ待たされてそんなことはあってはならない。
『お願いしますよ!!係長!!』とこちらも食い下がっていると
私の情熱に負けたようで手続きの準備をしてくれた。
『その間も携帯をポケットに入れてるから盗られるんだ!』
『気をつけろって言っただろうが!(初めてあったのに)』など
なぜかめちゃくちゃ怒られた。
その後、手続きの過程で私と係長は何やかんや仲良くなっていった。
中でも名前を告げるとバカウケした。
もうこれでもかってくらいにウケた。
自分の名前がこんなにもウケたのは初めての経験である。
こんなにも人を笑わせるのは簡単に思ったことはない。
私の名前きっかけで私と係長はすっかり打ち解けることができた。
その後の聴取は笑いを交えてスムーズに進む。
時々『お前の名前は?』と聞かれそれを答えて大爆笑が起きるという
お決まりのパターンを作り出したほどである。
一人の小太りの男が入ってきた瞬間、署内の空気が一変した。
数人の警官を引き連れて入ってきた男、そうそいつは所長である。(おそらく)
所長は入って来ていきなりエリート新人を叱りつける。
仲良くなりあんなにも優しくなった窓際係長も
所長が姿を表すと急に厳しくなりだした。
ひどい豹変ぶりである。
人間の怖い部分をしっかりと体感した上、無事に聴取が終わり
盗難届みたいな紙を貰うことができた。
兎にも角にも海外では携帯の盗難には気をつけよう!
旅の良い教訓になった出来事である。