古畑任三郎事件
この事件については語るか否かを今でも悩んでいる。
なぜなら、
私の品位を著しく落としうる可能性があるためである。
なんといっても悲しい話である。
悲劇が苦手な方はそっとブログを閉じて頂きたい。
事件当日、朝から夕方まで全力で観光に勤しんでいた。
腹ペコになったため晩御飯を食べることにした。
ご飯をたらふく食べた私は最高の気分で宿に帰っていた。
ここら辺で少しお腹に違和感を覚える。
そう、私はパーイに来てからお腹を下していたのだ。
以前、記事でも書いたがパーイには街灯が少なく
暗闇の中をトボトボと進む。
お腹の動きは激しくなるが宿まで我慢できるだろうと高を括っていた。
今まで何度となくこんな機会を乗り越えて来たし大丈夫だ。
しかし、歩いても歩いても宿に近づかない。
逆に便意は近づいてくる。
ヤツが「もういいかい?」と何度も私に尋ねてくる。
私の肛門括約筋も驚異の粘りをみせるがヤツの攻撃に耐えられず
いよいよ音を上げ始めてきた。
もうダメだ。
聖なる大地よ許し給え!
我が宿敵をそなたの元に召喚致しまする。
地球はトイレ!
レッツゴーうんち!
地に落ちろ俺のプライド!
暗闇の草むらは足元が見えないため
私は街灯の下を排便先に選んでしまった。
悲劇の始まりだ。
恥ずしい気持ちもあるがなんだか旅人の仲間入りをした気分である。
これこそが旅の醍醐味だよなぁと自分を納得させる。
遠くから人の声が聞こえる。
どんどんどんどん近づいてくる。
まずい。
上を見上げる。
私の姿はバッチリ街灯の光に照らされている。
マズすぎる。
この照らされ方はドラマ古畑任三郎のCM前、
視聴者に語りかけるあのシーンである。
全体は真っ暗で、私の排便ポイントだけ照らされている。
同じ上から照らされる系だったら
フランダースの犬のラストシーンの方がよかった。
このまま排泄物と共に天まで連れていってもらいたい。
声がすぐそこまで近付いている。
調子の悪い便はまだまだ終わりそうもない。
移動しようにも動けない。
最後の悪あがきで顔を隠そうと、古畑任三郎が悩んでるポージングをとる。
目の前で笑い声が聞こえる。
「フォー!!」
指の隙間から確認すると
白人の若い集団がこちらを見ている。
・・・女性もいる。
彼らはわたしを見てめちゃくちゃ喜んでいる。
酔っ払っているのであろう最高に楽しそうだ。
酔っていて目の前でスポットライトに照らされながら
プルプル震えて野糞をしている奴がいたら誰だって笑う。
もし酔っていなかったら恐怖映像だろう。
よっしゃうけた!!
嬉しいはずの私は涙が出そうだった。
空を見上げる。
満点の星空である。
私は星達に語りかける。
「君たちも見てたんだね」
私の頬に流星が輝く。