ゴールデンロックへの旅
バガンの代わりに急遽、チャイティーヨー・パゴダ(通称:ゴールデンロック)へ行くことにした。ミャンマーで仏教を信仰しているにとっては「巡礼地」である神聖な場所だそうだ。
すぐるにバス停まで送ってもらう。
数年後はミャンマーの大物になっているだろう彼とはここでお別れだ。
夜行バスでゴールデンロックまで向かう。
自分が乗るバスに近づいてみると運転手がバスの中で祈りを捧げている。
すぐるの話によると
ミャンマーのバスは事故る確率が異常に高いらしく
死ぬこともザラにあるそうだ。
そのため運転前に長い時間をかけお祈りをするのだという。
確かにミャンマーの交通マナーは異常に悪いし、事故が多発しても
おかしくない。
ドライバーが神頼みまでしているバスなんて
怖すぎるが仕方がない。
覚悟してバスに乗り込んだが 期待に反して、
途中休憩なども挟みつつ事故も起きずに目的地に着いた。
時刻を見てみると深夜2時。
こんな時間に着いて私はどうしたらいいんだ?
街に光がない。
微かに溢れる光を元に一応予約しておいた宿の向かう。
Googleマップが示す箇所に着いてもホテルらしきものは見当たらない。
私がフラフラ彷徨っていると
スクーターに乗った少年が心配して話しかけてくれた。
私はホテルの名前を言うと
後ろに乗れと言いホテルの場所まで連れて行ってくてた。
お金を上げなければいけないと思いポケットを探っていると
少年は何も言わず闇の中へ去って行った。
なんて心優しい少年だ。
日本で困っているミャンマー人を見つけたら是非助けたいと思う。
宿で少し仮眠をとり、日の出を見るために夜が明ける前に出発する。
ゴールデンロック行きの車の乗り場に着くと
専用の車に押し込まれた。
ゴールデンロックまでの道中はまさにジェットコースターである。
乗客も悲鳴を上げながら車に揺られる。
過去には死人も出てるだろうなというような上下左右に激しい道である。
目的地に着いた時には雨が降っていた。
せっかく朝早起きしたのに神様は意地悪なものだ。
外国人は入場にお金が必要だそうだ。
しかし、私はお金を払った覚えがない。
そんなに現地人に私は馴染んでいるのだろうか。
自分の出自が少し心配になる。
もしかしたら、両親はミャンマーで赤ん坊を拾ってきて
日本人として育てたのかもしれない。
ゴールデンロックに到着して見学する。
一通り観光が終わり、時間を見るともうそろそろいい時間である。
正午出発のバスに乗るためにはここから街の麓の
バス停に戻る必要がある。
しかし、私は無事帰ることは出来なかった。
続く