黄金の寺院 シュエダゴン・パゴダ
シュエダゴン・パゴダというミャンマーはヤンゴンで最も有名な観光地の一つである。
また、黄金のプレート8688枚で装飾され、ダイヤモンド5451個、ルビー1383個など合計7000粒近い宝石もちりばめられているそうでとてもゴージャスで幻想的な寺院である。
寺院に入る前に靴を脱ぐ、すると5歳くらいの少年が靴を入れるための
袋を渡してくれる。
ありがとうと笑顔で受け取るとお金を要求された。
私がこの子くらいの歳の時は遊んでばっかりだったのに
ミャンマーでは少年でもお金を稼ぐために夜遅くまで働いているなんて
大変だなと感心した。
少年にお駄賃をあげようと財布を広げる。
一銭もお金が入っていない。
私の方こそ大変な状態である。
さっき乗ってきたバスで全財産がなくなってしまったようだ。
ポケットに入っていた、くしゃくしゃになった紙幣を渡す。
少年は『これだけしか持ってないの?』と訝しげに尋ねる。
私は空の財布を見せてあげる。
少年は可哀想な人にお金を要求してしまったという表情を見せる。
そしてくしゃくしゃの紙幣を私に返し、哀れんだ目を向けた。
私があともう少しだけお金持ちだったら誰も傷つけることなく
済んだことだったのに・・・。
ただ内心ラッキーと思いながら先に進む。
入場ゲートで外国人はお金を取られるらしい。
しかし、思い出して欲しい。私は何度となくミャンマー人に勘違いされ、
何度となく外国人有料の中を無料で通過してきた。
今持っている金額は先ほど少年から返してもらった
水も買えないようなお金しかない。
でも、一回くらいは外国人として扱われたいという気持ちが
少しだけ私の心にあった。
エントランスを過ぎる。
私は警備員をチラっと見る。
全くお金を要求される雰囲気がない。
彼の前で日本語で独り言を言ってみる。
警備員は不思議そうな顔を向けるが何も言ってこない。
私は諦めて先に進む。
どうやら私は本当にミャンマー人のようだ。
国籍を変更しようと思う。
歩いていると黄金が飛び込んできた。
美し過ぎる。
幻想的な風景が私を酔わせてくれる。
闇に煌めく黄金は目を閉じても残像が残るほどの鮮明である。